Googleフォト2TBユーザーが脱Googleを決意した結果、地獄を見た話

GoogleフォトからImmichへ移行するイメージ。脱Googleした結果、データ移行に苦労した体験を表現したアイキャッチ画像 Immich・自宅サーバー
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あれは2023年頃、Googleフォトの容量が2TBに迫ってきた。

2020年頃から無料で使い始めたGoogleフォトですが、気が付けば2TBプラン(当時約1,300円/月)へ移行し、それでも徐々に容量を圧迫するようになっていました。

スマホの写真はもちろんですが、趣味にしていた一眼レフの写真、自身のゲームリプレイなど全て保存していたらどんどん膨大に…。

もちろん、そのままGoogle Oneの容量を増やし続ける選択肢もありました。

ですが、ふと計算してみると年間で約15,000円。
「これ何年も使ったらすげーもったいなくない…?」

思い立ち、解約を決意。その日に4TBのHDDも注文しました。

しかし、この時はまだ知らなかった。

Google Takeoutによる大量ZIPファイルとの戦い。

大量の同名フォルダと、大量のJSONファイル。

終わらないダウンロード。

そして数TBのデータ移行作業。

Googleフォトから脱出しようとした結果、想像以上の地獄を見ることに。

この記事では、実際にGoogleフォト約2TB分のデータを移行しながら経験したことを、良かった点も失敗した点も含めて正直にまとめていきます。

なぜGoogleフォトをやめようと思ったのか

※Googleフォトの顔認識機能をイメージしたサンプル画像

とにかく顔検索や、家族・友人とのアルバム共有が便利だし、撮った写真をWi-fi接続時に自動でバックアップしてくれる。
なんて画期的なんだ、教えてくれた弟ありがとう!!と、速攻2TBプランを契約してどんどんデータを貯めていました。

きっとあなたもそうですよね?
でも…気づいちゃいましたね?

毎月課金が気になり始めた

月単位で見ると当時で約1300円程。
ストレスフリーな生活を送るうえで必要な出費だ、と納得して課金していました。

ある日思ったんです。

これ、辞め時いつだろ?
永遠に使う?

いや、永遠に使ったら総額いくらよ?w

1年で15,600円。

10年で156,000円。

30年で468,000円。

自分で管理した方がだいぶ安いだろうな…。
確かにすげー便利だし、データ紛失の可能性は自己管理より遥かに低い。

しかし多少管理する時間を費やせば、実費はかなり抑えられるのでは。

そういうコストを全て含めて考えると安いのかもしれませんが、当時の私はそうとは思えなかった。

2TBプランでも足りなくなった

それに加え、かなり余裕があったはずの2TBプラン。

バックアップ用途でしたので、オリジナル画質で全て保存していました。
どんどんひっ迫してきた容量。

1.86TB 使用中とか出てるんです。

じゃあ上位プランにするか、と軽い気持ちでアップグレードのページへ。

5TBは月額3,250円。

10TBは月額6,500円。

いや~~~さすがにこれは高い!
※2021年当時の価格で、今ではさらに値上げしています。

や~~~~めた!
とりあえず解約!

Google Takeoutが想像以上に地獄だった

Googleフォト解約の前に、データをダウンロードしなくてはならないですよね。

2TBのデータをエクスポートしようとすると相当な事です。
なにせ2TB x 1ファイルという訳にはいかないから。

1ファイル(ZIP)あたりのサイズ上限が50GB(デフォルトでは2GBになってるのでマジで注意)

そこそこめんどくさいけど、解凍してまとめて終わりならまぁいける量かな。
2時間位でダウンロード終わるかな?

さっそくエクスポート開始!

ダウンロードだけで数日

まずGoogleのクラウド上で写真・動画を圧縮してくれるんですが、それが結構かかります。

即作業を始めるつもりでエクスポート開始したのですが、ダウンロード可能になるまで約半日くらいはかかったかも。

そして届いた「Google データをダウンロードできるようになりました」のメール。

Google TakeoutでエクスポートしたGoogleフォトのデータが39個のZIPファイルに分割された画面

39個。

当然すべてのデータを同時に高速でダウンロードする事はできないので、なんだかんだ全て落とし終えるのに数日かかったと思います。

解凍したらJSONまみれ

Google Takeoutで出力した写真データ。DSC_0001.jpgなどの画像ファイルと同数のJSONファイルが並んでいる状態

分割された「Takeout」フォルダを40個近く解凍し終え、どんな状態か中身を開いてみました。

なんか思ったより…ていうか大分ひどい…。

1つ目のTakeoutから、2,3,4、飛んで10,11,12というそれぞれのフォルダにアルバム名「**旅行」や「Photos 202*」といった同名のフォルダが作られていました。
それだけならまだしも、写真ファイルと同ファイル名の「*.json」が写真と同じ数だけ生成されていました。

どうやらメタデータをJsonファイルとして出力してくれたらしい。
オリジナル画質で保存していたため、写真ファイル自体にもメタデータは残ってました。(これはマジで助かった。)

落としたものの、これ整理するのすっげー大変だわ。
一旦保留!

なんと保留してから3年経ちました。

3年後、重い腰を上げた

Googleフォトを解約してから、バックアップもされないし写真も撮らなくなってしまいました。

あまり増やしても例の「Takeout」とかいうやつ、全然整理してないし。

そもそも写真好きなのに、写真撮る気がおきないって課金してた時より人生の幸福度的に損してるのでは…?
ぐぬぬ…いい加減手をつけるか…

丁度PCケースやCPU、マザーを新調してモチベーションが上がってるときに、「頑張ろう…」
やっとやる気が起きました。

Synology(NAS)

NASとは簡単に言うと、自宅に置く自分専用のクラウドストレージです。
GoogleフォトやDropboxを自宅で運用するイメージですね。

まず候補に挙がったのがSynology。

家庭用NASとしては超有名メーカーで、
写真管理機能もかなり充実しているそう。

実際、Googleフォトの代替として調べると
ほぼ確実に名前が出てきます。

正直かなり魅力的でした。こういうのが欲しかった。
ただし高いです。

個人的にこういう買い物は少しいいグレードの物を買いたい派なんですが、そうすると本体だけで数万円。
更にHDDを2台で運用しようとすると一気に十数万~二十万コースです。

月額1300円でのたまっていた男がいきなりポンと十数万円は出せません。
Googleフォト再契約するしかないのか…?

Googleフォト継続

考えてみましたが、やはり永続的に課金が続くというのが気乗りしません。

結局自宅でサーバーを立てたり、それこそNAS運用しても多少のランニングコストはかかるものですが、なんとなく釈然としないんです。

それで色々調べてたんですが、とうとうたどり着いてしまいました。
そう、Immichに。

Immich

Immichとは、Googleフォトライクな写真管理ソフトで、世界中の有志によって開発されているオープンソースソフトウェア。

自宅サーバーやNAS上で動作し、写真や動画を自分で管理できます。

簡単に言うと「自分専用のGoogleフォト」です。
最初は半信半疑でしたが、調べれば調べるほど面白そうでした。

Immichが想像以上にGoogleフォトだった

Immichの写真管理画面。Googleフォトに似たUIで写真や動画を一覧表示できる

まずUIがGoogleフォトそのままなんですw

機能もGoogleフォトにあるような機能が色々ついています。

顔認識

Googleフォトの顔認識機能のイメージ。猫ごとに太郎・次郎・三郎と分類されている画面
※Googleフォトの顔認識機能をイメージしたサンプル画像

Googleフォトの私的一番面白い&便利だった機能として、一番に上げたいのは顔認識・検索機能です。

これが面白くて顔認識に名前を全部つけたり、結構凝ってたんですが、Immichも同等の機能がついています。

AI検索

Immichで「空」と検索した結果。AI検索により空が写った写真を自動抽出している

抽象的な表現を使用した検索も可能です。
例えば「空」と検索すれば空の写真を検索してくれます。

Immichで「旅行」と検索した結果。旅行に関連する写真をAIが自動で抽出している

それに加え、「旅行」「キャンプ」といったシーン単位での検索も可能です。
(キーワードによって精度が怪しい時もありますがw)

スマホ自動バックアップ

これが最高!
当時の私はこの為に課金していたといっても過言ではありません。

今でもほぼこの為に自宅サーバー+Immichを構築しました。

アルバム共有

ここはGoogleフォトに正直少し劣る部分です。
Googleフォトのように、相手のGoogleアカウントを指定して簡単に共有することはできません。

基本的には同じImmichサーバー内で作成したアカウント同士での共有となります。

例えば家族で利用する場合は、妻・子どもアカウントなどを同じサーバー内に作成し、その間でアルバムを共有する形になります。

一方的に自分の作ったアルバムを見せたい場合は、共有リンクを発行してURLを送るだけです。
相手側はImmichのアカウントを持っていなくても、ブラウザから写真を閲覧することができます。

私のImmich運用環境

私は現在、Googleフォトから移行した約2TBの写真・動画データとそこから増えた分の約1TB、合わせて3TB程をImmichで管理しています。

本来であれば専用の省電力サーバーを用意したいところですが、まずは移行と検証を優先するため、現在はメインPC上で運用しています。
常時電源ONにしておくには消費電力がちょっと怖いので、PCに用事のある時についでにImmichも起動する、といった使い方をしてます。

導入当初はお試し程度の気持ちでしたが、実際に運用してみると思ってたより快適で、省電力サーバー構築もあまり遠い未来の話ではないかもしれません。

ここでは、実際に私が使用している運用環境を紹介します。

Docker

Immichは「Docker」という仮想化技術を利用して動作しています。

仮想マシンほど大げさなものではありませんが、パソコンの中にImmich専用の動作環境を作るようなイメージです。
そのため、他のソフトウェアやOS本体への影響を抑えながら運用することができます。

私自身もUbuntu Server上にDockerを導入し、その中でImmichを動作させています。

最初は少し難しく感じましたが、一度構築してしまえば普段Dockerを意識することはほとんどありません。

サーバー構成

項目内容
OSUbuntu Server 24.04 LTS
仮想化Docker
写真管理Immich
最大容量4TB
CPUCore Ultra 9 285K
RAM96GB

先ほども書いた通り、現在はメインPC上で運用しています。

本来は省電力な専用サーバーを用意したいのですが、まずは大量のTakeoutの整理を優先したかったため、この構成で運用を開始しました。

ただし導入は決して楽ではなかった

ここまで読むと、「Immich最高じゃん!俺も俺も!」と思うかもしれません。

実際、現在の満足度はかなり高いです。

ただし、導入までの道のりは決して簡単ではありませんでした。

Ubuntu Serverの構築、Dockerの設定、Immichの導入までは何とかなるとして、一番大変だったのはGoogleフォトからエクスポートした大量のデータ整理と、実際のデータのImmichへの取り込み作業でした。

私の場合、約2TB分のデータをGoogle Takeoutで出力した結果、39個のZIPファイルと大量のJSONファイルに苦しめられました。

ダウンロードしたまま3年放置したくらいです。

その後、重い腰を上げて整理と移行を進めましたが、この部分はこの記事だけでは書ききれません。
ちょっと取り込みパスをミスったせいで、サムネイルのサムネイルを生成→更にそのサムネイルを生成みたいな無限ループにも陥ったので…。

実際にWindowsメインPCへImmichを導入した手順は、こちらの記事で詳しくまとめています。
ImmichをWindowsメインPCに導入する方法【Docker Desktop+WSL2+Ubuntu】

実際に使って感じたメリット

Immichを導入してからしばらく運用していますが、想像していた以上に満足度は高いです。

もちろんGoogleフォトの方が優れている部分もあります。

しかし、写真管理や自動バックアップといった普段使いにおいては大きな不満もなく、今では完全にGoogleフォトの代わりとして利用しています。

特に私がメリットだと感じたのは次の3点です。

Googleフォトと遜色なし

個人的にオープンソースフリーウェアには絶大な信頼を置いてるタイプなので、最初からあまり不安はありませんでした。

顔認識や検索機能、スマホからの自動バックアップなど、私がGoogleフォトで利用していた機能はほぼ揃っています。

もちろん細かな違いはありますが、写真管理ソフトとしては十分実用的なレベルだと感じています。

容量制限なし(あるけど

厳密にはサーバー(ストレージに使用してるHDDなど)の容量が上限になるため、完全に容量無制限というわけではありません。

それでもGoogleフォトのように「あと何GBで上限」「容量を増やすにはプラン変更」といった心配からは解放されました。
あれうるさいんですよね、容量MAXに近づくと。

私の場合は現在約3TBのデータを保存していますが、今後写真や動画が増えてもHDDを増設するだけで対応できます。

サブスク(月課金)から解放された

Googleフォトの便利さには満足していましたが、毎月料金が発生し続けることには大分抵抗がありました。

もちろん自宅サーバーにも電気代やHDD代はかかります。
しかし一度環境を構築してしまえば、毎月利用料金を支払い続ける必要はありません。

「容量を増やすたびに課金する」のではなく、「必要になったら自分でストレージを増やす」という選択が自分好みなのでとても気に入っています。

それでもGoogleフォトの方が優れている部分

Immichにはかなり満足していますが、Googleフォトを完全に超えたとは思っていません。

世界中で利用されているサービスだけあって、やはりGoogleフォトの完成度は非常に高いです。
記事の為にGoogleフォトを見に行ったらまた機能が増えてました。

特に「難しいことを考えずに使える」という点では、今でもGoogleフォトに大きなアドバンテージがあると感じています。

実際に移行してみて感じた、Googleフォトの方が優れていると感じたポイントを紹介します。

設定不要

Googleフォト最大の強みは、とにかく手軽なことですよね。

アプリをインストールしてGoogleアカウントでログインするだけで、すぐに写真のバックアップを開始できます。

サーバーの準備や初期設定、アップデート管理なども必要ありません。

自作PCやサーバー構築してみたりとか、そういうのが好きな人ならImmichの構築も楽しめますが、写真を保存したいだけならGoogleフォトの手軽さは圧倒的です。

クラウド管理で安心

GoogleフォトはGoogleのデータセンター上で管理されています。

そのため、利用者はサーバーの故障やストレージ障害を気にする必要がありません。

一方でImmichは自分で管理するため、HDDの故障やバックアップ対策も自分で考える必要があります。

私も現在は定期的なバックアップを意識していますが、「何もしなくてもGoogleが管理してくれる」という安心感はGoogleフォトならではの強みだと感じています。

共有の手軽さ

写真共有の手軽さについては、完全にGoogleフォトに軍配が上がります。

Googleフォトであれば、相手のGoogleアカウントを指定するだけで簡単にアルバムを共有できるし、一緒に作る事もできますよね。

Immichにも共有機能はありますが、基本的には同じサーバー内のアカウント同士での共有が前提。
共有リンクを発行して閲覧してもらうことはできますが、Googleフォトほどシンプルで直感的とは言えません。

特に家族や友人と頻繁に写真を共有する人にとっては、Googleフォトの方が便利だと感じる場面も多いと思います。

まとめ

Googleフォトから約2TBのデータを移行し、実際にImmichを運用してみたお話でした。

導入前は「代替ソフトとして使えれば十分かな」くらいに考えていましたが、実際には想像以上にGoogleフォトに近い使い心地で非常に満足しています。

もちろん、手軽さや安心感では今でもGoogleフォトが優秀です。

アプリをインストールするだけで利用でき、サーバー管理やバックアップについて悩む必要もありません。便利さに対してお金を払うという意味では、Googleフォトは非常によくできたサービスだと思います。

一方で、自作PCや自宅サーバーが好きな人にとってはImmichは面白い。

自分で環境を構築する手間はありますが、その代わり月額料金を気にせず、自分の好きな容量で写真や動画を管理できます。

私自身、移行作業は大変でしたが、今では「やって良かった」と感じています。
自作NAS構築も割と近い未来手を出すことでしょう。

Googleフォトの料金に悩んでいる方や、自宅サーバーに興味がある方は、一度Immichを試してみる価値は十分あると思います。

私の場合はこういう作業が好きなので、Immichはあり寄りのありって感じでした。

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