PCの作業って、本来は「やりたいことを形にするための時間」のはずなのに、昔の環境ではその“前提”すら崩れていました。 フルHD動画を1本書き出すだけで10時間。夜にエンコードを始めても、朝になっても終わらない。
ていうかエラーで止まってるとかザラでした。
そこから、GPUを変えたり、CPUを変えたり、ストレージを変えたり…
いろんな要素が少しずつ噛み合っていく中で、作業時間は「10時間 → 2時間 → 20分」へと激変していきます。
この記事では、スペック表では伝わらない“体感の差”を、実際の作業時間とともにまとめていきます。 数字じゃなくて、作業体験が変わった瞬間をそのまま書いていく。
昔のPC環境は”作業が終わらない世界”だった
大昔を振り返れば、PCを初めて触った頃。
あれは小学4年生とか5年生でした。
HDD容量は40GB程。CPUがPentium2とかの時代です。
ちょっと画像とか保存するだけでHDD容量を圧迫・・・どうにかしてあと500MB空けたい…
Windowsフォルダ容量でかすぎない?中身3個に1個くらい消してみよ!
…そして起動不能へ。
その頃に比べれば、2015年頃にお古で頂いたこのPCはかなり時代が進んでいました。
Core i7 2700K + AMD Radeon HD7850 の時代
スペックとしては
- MS-7678
- i7 2700K
- Radeon HD7850
- SATA SSD 256GB(Windows)
- HDD 400GB + 200GB
- DDR3 12GB(8+2+2)
BTOによく使われていたらしいMS-7678マザーを搭載したPC。
大昔に比べたらHDD何個もついてる時点で感動でした!
更にWindowsがSSDに入っていたのと、このマザーの特性で起動がめちゃくちゃ早い。
電源ボタンを押してから5秒程度でログイン画面にいけました。
この時代からPC3台程乗り換えていますが、これほど早く起動できるPCはいまだありません。
しかし譲り受けた時点で特にやりたい作業があった訳でもなく、CD管理やAmazon閲覧にPC欲しいな~と思ってた程度で、最初は特に不自由もしていませんでした。
それより自宅に自分専用PCあってなんかイイ!って感じ。
フルHD編集でもエンコードに10時間かかっていた理由
結論から言います。
- HDDの書き込み速度
- 旧世代CPU & グラボ
- 撮影機材に一眼を使用していたこと(高ビットレート・高画質)
この頃は私生活の方で色々あったことで、自宅にいる時間がとても増えました。
借りていたマンションを、大家さんに好きに改造していいと言って頂いていたのでDIYに励んでいました。
たまたま一眼など撮影機材も持っていたので、ついでにYouTubeで発信してみようと思い、動画編集も始めたんですね。
それでやってみて驚いたんですが、エンコードがめちゃくちゃ時間かかる…
本格的に凝った編集を始める前ですら10時間以上。
一眼で撮影した動画ですから、ビットレートも高いしとにかく重い。
この頃はまだそういう仕組みもよくわかってなかったので、何が原因かもよくわからず夜通しエンコードしてました。
しかも夜中に失敗して止まってて発狂することなんてザラです。
今考えると、OSはSSD内でしたが基本的なストレージにはHDDを使用していたので、まずそれが一つの原因。
この動画編集をやり始めたころは2019年頃でした。
2700Kの発売年が2011年、HD7850が2012年。
今振り返ってみると、すでに8年落ちのスペックですね。
通常使用には何ら問題なく、マイクラも設定をあげなきゃ遊べるレベルでした。
しかし動画編集等負荷のかかる作業はこれだと厳しいですね。
ノートPC時代での改善と限界
そんなデスクトップであくせく編集してた頃、たまたま使わなくなったノートPCを頂きました。
スペック詳細は後ほど言及しますが、この時世界が変わります。
10時間かかっていたエンコードは1時間程度へ。
編集も凝るようになってきた頃だったので、頑張った時は2時間程度かかってましたが。
LANの無線化。SDをPCに直で挿せる。マジで神だと思いました。
Core i7 7820HQ + NVIDIA GeForce GTX 940MX の実測
- DELL Latitude 5580
- i7 7820HQ
- GeForce GTX 940MX
- DDR4 16GB
- M.2 SSD 512GB
2017年発売モデルなので、2年落ち程度に昇格しました。
今考えると動画編集・エンコードなどにはもう少しスペックが欲しいところですが、この時はとにかく感動の一言。
動画編集にも慣れ、PCスペックも実用レベルまで届いたことで自分のYoutubeよりココナラなどで編集の依頼を請けさせて頂く様になりました。
エンコードが約2時間に短縮されたが不安定さが残る
エンコード時間が10時間→2時間以内への短縮ですから、当時はマジですげえと思ってました。
ただM.2や自宅の無線LANルーターが不安定だった事で別の苦労が発生。
このノートは今でも所有していて、この前確認した際にタスクマネージャー上のSSD名に(RAID)の表記があったのでその辺がなんかおかしいのかなぁ、、と思ってます。
M.2は1枚しか刺さってないんでね。
無線LANルーターはPCとは関係ないんですが、YouTubeへ動画をアップロードしてる最中に接続が切れてしまう事例が多発。
これマジでクソでした。
一度接続が切れると1から上げ直し。
しかもこの頃はもうお仕事として編集してたのでお客様のYouTubeアカウントです。
公開作業も代行してたんですが、一度接続が切れると夜中じゅうアップロードの復旧作業に追われて大変だったのをよく覚えています。
デスクトップで一気に爆速化した瞬間
これは2021年頃。
ノートでひたすら悪戦苦闘したのち、またいろんな幸運が重なりマザボ+CPUを入手。
そしてエンコード時間が一気に爆速化。
2時間 → 20分への短縮となりました。
やはり映像関連はグラボの影響がでかい。
Core i7 11700K + NVIDIA Quadro RTX4000 の導入
- Z590 Vision D
- 11700K
- DDR4 64GB
- Quadro RTX4000
- M.2(Gen4) SSD 1TB
2700K → 7820HQ の時点でとても感動しましたが、今回はその比じゃない。
長くても20分以内にエンコードが終わってしまいます。
RAMも拡張。64GBもあると編集作業がかなり捗ります。
当時は特定のお客様から定期的にお仕事を頂けるようになり、その時の内容がゲームの様なエフェクトを多用した編集という事で、ノートでは限界がきてました。
今回の更新によって、さらに倍以上のエフェクトを多用できるようになりました。
4K編集にも対応できるようになり、そもそも4K素材で受け取り → フルHDで納品とさせて頂いていたものを4Kで納品できるように。
とにかく仕事の質とタイムパフォーマンスが急上昇。
ついでにPC知識もこの時かなり増えました。
エンコードが10時間→20分になった理由を「技術的に」分解する
10時間かかっていたエンコードが20分で終わるようになったのは、 単に「スペックが上がったから」ではないんです。
CPU・GPU・メモリ・ストレージのすべてが“現代仕様”に揃ったことで、Premiereの処理が完全にボトルネックから解放された・Premiere Proに革命が起きた、の2点が本質。
ここでは、その理由を技術的に分解していきます。
① Turing世代 NVENC の圧倒的な性能
Quadro RTX4000 は Turing NVENC を搭載している。
これは旧世代のNVENCと比べて
- エンコード速度が約2倍
- 品質も向上
- Premiere Proが正式対応した世代
という“動画編集の革命点”みたいな世代。
Premiere がCPU依存 → GPU(NVENC)依存に切り替わった瞬間で、 これだけでエンコード時間が一気に短縮される。
つまり本当にたまたま、PCの買い換えた時期とPremiere Pro自体のエンコード方法のアップデートが重なっていたんです。
② 11700K のデコード性能が段違い
2700Kや7820HQと比べると、11700Kは
- シングル性能が大幅向上
- AVX2/AVX-512対応
- H.264/H.265のデコード支援が強い
- コア数も増えて余裕がある
Premiereは「素材のデコード → エフェクト処理 → エンコード」という流れで動くため、 デコードが速い=全体が速い。
特に一眼素材のような高ビットレート動画は、 CPUデコードが遅いと全体が詰まる。
11700Kはここを一気に解消してくれました。
③ メモリ64GBの恩恵がデカすぎる
動画編集はとにかくメモリを食います。
- タイムラインのキャッシュ
- エフェクトの一時データ
- プレビューの保持
- 複数アプリの同時起動
これらが全部メモリに乗る。
16GB → 64GB になると、 Premiere Proが“息継ぎ”しなくなる。
プレビューが止まらないし、エフェクトを盛っても落ちない。
しかし、私がやっていたゲーム風エフェクトを多用した動画はそれでもいっぱいいっぱいでしたw
④ M.2 SSD の高速I/Oが全体を底上げ
HDD時代は
- 読み込みが遅い
- 書き込みが遅い
- キャッシュが詰まる
- Premiere Proが待たされる
という地獄だった。
M.2 SSD (Gen4) は
- 読み込み 約7000MB/s
- 書き込み 約6000MB/s
- ランダムアクセスも爆速
Premiereのキャッシュ・素材読み込み・書き出しが全部爆速化します。
まとめ
11700K + RTX4000 + RAM 64GB + M.2 SSD この4つが揃ったことで、
Premiere Proの処理が“全て”高速化し、 10時間 → 20分という劇的な短縮が実現した。
CPUだけでも、GPUだけでも、メモリだけでもダメ。
全部が揃った時に初めて“爆速化”が起きる。
作業が“別物”になった瞬間|初めて感じた圧倒的な快適さ
スペックが上がると作業が速くなる。
でも、この時に感じたのはそんなレベルじゃなかったです。
「これはもう別の作業だ」
そう思うくらい、編集体験そのものが変わりました。
タイムラインが止まらない
2700K時代は、 カット編集だけでもプレビューが止まることがありました。
7820HQでも、 エフェクトを重ねるとカクつくし、そもそもプレビューを低画質化して利用するのが基本でした。
でも11700K + RTX4000に変えた瞬間、 タイムラインが“動画みたいに”動く。
- カットが滑らか
- エフェクトを載せても止まらない
- 4K素材でも普通に再生できる
編集が「作業」じゃなくて「操作」になったという感じです。
今まで1/4以下で利用していたプレビューも当然フル画質で使うように。
これが特に最高でした。
書き出し中に別の案件を進められる
2700K時代は、 エンコード中はPCが完全に使えなかったし、使おうとも思ってなかった。
何しろ夜中にエラーで止まってる事の方が多かったから。
7820HQでも、 書き出し中は重くて他の作業ができない。
でもこの時は、
- 書き出ししながら別の動画を編集
- サムネを作る
- ブラウザで調べ物
- メール返信
全部同時にできました。
“時間が増えた”といって過言ではないです。
4K編集が普通にできるようになった衝撃
普通にといっても基本的にはプロキシ編集でしたが、簡単な編集ならそのまま触って問題ありませんでした。
ゲーム風エフェクトを多用する場合のみプロキシ編集へ、といった具合です。
まとめ
とにかく仕事の質が上がりました。
PCが足を引っ張る事が一切なくなったので、時間が増えたといって遜色ないです。
まとめ|PC環境を変えると「時間の価値」が変わる
10時間かかっていたエンコードが20分で終わるようになった。
これは単にGPUを変えたからではなく、 CPU・GPU・メモリ・ストレージ、そしてPremiere Proそのものの進化が重なった結果でした。
環境が整うと、作業は速くなるだけじゃない。
「できること」そのものが増える。
エフェクトの幅が広がり、4K編集が現実的になり、 書き出し中に別の案件を進められるようになる。
つまり、PCを変えるというのは “時間の使い方を変える”ことに直結します。
ただし、ここで終わりではないんです。
今回の構成(11700K+RTX4000+64GB+NVMe)は、 当時としてはかなり良い選択肢でしたが、 2026年の今となっては、さらに上の世界が存在してます。
- GPUは世代が進み、NVENCも強化
- CPUもコア数・効率が大幅に向上
- ストレージは Gen5 時代に入り
- Premiere Proもまた別物になりつつある
私自身、ゲーム風エフェクトの勉強のためと始めたFF14にドはまりしてしまい、更にPCをアップグレードしています。
この先、どんな構成が最適解になるのか。 そして、今の環境からさらにどこまで作業が変わるのか。




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